科学の甲子園で広がる輪
寄稿:2023年10月
- 柴山 礼寛さん
- 大阪大学 医学部医学科3年
(第8・9回科学の甲子園全国大会 福岡県代表)
第8・9回科学の甲子園全国大会に福岡県代表として出場致しました、柴山礼寛と申します。後輩の皆様に伝えたいことを書き記しました。
科学の甲子園で興味が広がる
もともと私は、理系科目の中では化学にのみ興味があり、他の分野への興味はそこまで強くありませんでした。そのため、第8回科学の甲子園では化学のみを担当していましたし、科学オリンピックで真剣に取り組んだのは化学のみでした。
ですが、第9回科学の甲子園では実技競技(生物学)および、筆記競技の生物学担当メンバーの補助を担当することになり、物化選択であるにも関わらず生物学の勉強をすることとなりました。結果的に新型コロナウイルス感染症の蔓延で第9回全国大会は中止となってしまいましたが、この時に生物学に多少なりとも興味を持てたおかげで、大学で生物学・基礎医学を楽しんで学ぶことができたのだと思います。
また、科学の甲子園で「理系地学選択」の方々と数多く知り合えたことで、本来なら触れることがなかったであろう地学分野への興味を持つことができました。高校生のみなさんには、この大会を自分が好きな分野への興味を深めるだけではなく、新たな分野を知る機会として活用してほしいと思います。
広げよう科学の輪
科学の甲子園はチーム戦であるため、チームメンバーとの仲が深まることでしょう。そして、全国各地の科学好きと交流することで多くの友人ができることでしょう。私は第9回全国大会が中止になったことで、同じ歳の科学好きな友人があまりできなかった(第8回全国大会にも出場しましたが高校1年生は少なかった)ので、高校生のみなさんには、ぜひ科学の甲子園を通じてたくさんの友人をつくってもらいたいと思います。
また、科学の甲子園でできた友人と再会する場・新たな交流の場の提供を目的として、科学の甲子園OB・OG会という組織が存在します。昨年(2022年)に再設立した組織であるため、まだ運営も試行錯誤ですが、今後は全国大会にあわせて同窓会なども計画したいと思っておりますので、OB・OGの皆さんはぜひご参加ください。
詳しくはX(旧Twitter)@kakou_OBOGをご覧ください。
近況報告
高校時代は化学が大好きでしたが、化学は仕事ではなく趣味のままがいいという思いもあり、大学は医学部に進学しました。医学部に来たこともあり、もう大学で化学を扱う機会はないだろうと思っていましたが、最近はなぜか電気化学を使った実験をしています。というのも、大阪大学医学部には3年の後期に基礎医学講座配属という研究室配属があります。その一環で統合薬理学教室に配属され、電気化学的手法を用いた薬物濃度の生体計測の研究を行うことになったのです。
科学の甲子園を通じて、化学への興味が一層深まり生物学への興味を持つようになったことで、この研究に興味を感じている部分も少なからずあるでしょう。科学の甲子園で得たものはきっと将来の何かに繋がると思います。ですので、中高生のみなさんは是非とも科学の甲子園全国大会を目指してみてください。