科学の甲子園ジュニア

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国際科学技術コンテスト

科学の甲子園(高等学校等部門)

第7回全国大会ダイジェスト・レポート

令和最初の全国大会
新たな時代を担う中学生たちが、科学に挑む3日間

「第7回 科学の甲子園ジュニア全国大会」が、2019年12月6日~8日の3日間、茨城県のつば国際会議場とつくばカピオで開催されました。都道府県大会を勝ち抜いた47の代表チームが一堂に集い、科学の力を競い合い、互いに交流を深めました。

大会をきっかけに今後の科学を考えよう、と選手宣誓

大会初日に行われた開会式では、各都道府県の代表チームが、自分たちが選んだ曲に合わせてステージに登場。友達の寄せ書きやメッセージで彩られた旗を掲げて、全国大会にかける意気込みを語りました。選手宣誓を行ったのは、岡山県代表の岡山大学教育学部附属中学校の藤原唯衣さんと、岡山県立津山中学校の松野隼達さん。リチウムイオン電池を開発した旭化成の吉野彰・名誉フェローがノーベル化学賞を受賞したことに触れ、「研究者に必要なのは、壁にぶつかってもあきらめない執着心と、柔らかい能天気な面」と吉野さんの言葉を紹介しました。さまざまな地球規模の課題を抱える現代において、科学の知恵を駆使して地球と共生していくことが大切だと述べ、「この大会を、今後科学がどうあるべきかを考えるきっかけにしたい」と力強く決意表明し、3日間の大会が開幕しました。


  • 今大会の新色ブルゾンを着用した
    山形サクランボチーム

  • 会場に響き渡った選手宣誓

今回も全国から多彩な顔触れが集まりました。代表選考の方法は各都道府県教育委員会に委ねられているため、代表チームの構成は1校のみでの出場から、複数校の合同チームまでさまざまです。今大会参加の学校数は78で、そのうち35校は初出場です。一方、7回連続出場の常連校も6校あります。とはいえ、出場回数にかかわらず、全国大会を目指して積み重ねてきた努力や熱い思いはどの生徒も同じはず。開催地の茨城県で初めての代表となった茨城県立日立第一高等学校附属中学校のキャプテンは、「去年は予選で敗退したので、今年はぜひ出場したいと思っていました。目指すはもちろん優勝ですが、科学を楽しみたいです」と抱負を語ってくれました。


7大会連続出場校を含む代表チーム

筆記競技と実技競技にチームで挑む

競技当日となる大会2日目。午前中に今大会最初の競技となる筆記競技が行われました。理科や数学などの複数分野から出題され、チームメンバー6人全員が協力して問題に挑みました。


石の角はどれくらい取れただろう
実技競技①は、「地球トライアスロン~私たちの惑星(ほし)を科学する~」と名付けられ、各チーム3人で3つの課題に取り組みました。これは、生徒たちの地球への興味喚起を促し、SDGsの持続可能な開発目標を意識するきっかけになることを期待して出題されました。
課題1は「川上から石がどんぶらこ」。石が川の上流から下流に流される過程で、角が取れて丸くなる様子を実験で観察し、流された距離と石が摩耗した度合い(円摩度)の関係を調べます。生徒たちは、石に見立てた石こうブロックをプラスティックボトルに入れて、2,000回まで振り続け、振った回数と円摩度の関係をグラフ化する実験に取り組みました。


冷たい雨にもマケズ・・・
課題2「地球の大きさを測る」では、つくば市を通る緯線の長さを測ります。紀元前230年頃、ギリシャ人の学者・エラトステネスが、エジプトのアレキサンドリアとシエネという2つの都市の緯度差と距離から地球の一周の長さを求めたことにならっての出題です。会場前の広場に設置された40メートルラインの両端の経度差を、タブレットの「GNSS:Global Navigation Satellite System/全球測位衛星システム」を使って測定し、距離と経度差からつくば市を通る緯線の長さを決定します。当日はあいにくの雨でしたが、生徒たちは傘を差しながら、2人1組で協力し合って計測しました。


効率と正確性を追求して役割分担
課題3「湖水の振動(セイシュ)」は、湖水や湾で観測される「セイシュ(Seiche)」と呼ばれる水の振動を実験で再現し、振動の周期を求める問題です。用意された水槽で実際に3種類の波をつくり、波の上下幅と、波が1周するのにかかる時間を測り、比例定数を求めます。波のつくり方はデモンストレーション映像を参考にしますが、いかにきれいな波をつくれるかがポイントです。

これら3つの課題の制限時間は90分。問題を読んで課題を的確に把握する力や、制限時間内に終えるために計画的に協力しながら課題に取り組む力が求められました。実技競技①を終えた生徒は、「役割分担して全問解くことができました。課題3の波をつくるのが難しかったけれど、楽しかったです」(神奈川県代表チーム)と感想を語りました。地球に関する3つの課題を通して、宇宙や地球環境に興味を持つきっかけになったようでした。

最実技競技②は「マグネティック・フィールドを支配せよ」。60センチ四方のアクリル板の下に磁石や電磁石を配置することで、アクリル板の上を転がす回転体(磁石)の動きを制御して、回転体にチェックポイントを通過させ得点を競います。チェックポイントは3色、各5箇所用意されています。同色のチェックポイント5箇所全てを通過できればボーナスポイントが、また、より少ない磁石でコントロールできればその分の加算点が得られるので、どう得点をするかが知恵の見せどころです。競技の概要は全国大会のおよそ1カ月前に公開され、生徒たちは家や学校で実験と試作を重ね本番に臨みました。回転体、スタート台、電磁石と電源装置は事前に製作しておき、大会当日、事前の設計をもとにすべてのパーツを配置し、75分の製作時間内で完成させます。

アクリル板の下に磁石や電磁石をどのように配置して見えない磁場をつくり、回転体を自分たちが考えたコースで走らせるのか。会場インタビューでは、「スタート台で加速がつく前半は、磁石を直線に並べて間隔を空け、スピードの落ちる後半は、磁石の間隔を狭くして推進力をつけて、回転体を最後まで走らせる作戦です」(長崎県代表チーム)、「たくさんのチェックポイントを通過できるよう、渦巻き状の走路にしました」(岐阜県代表チーム)などのコメントがあり、各自の工夫が垣間見えました。工作を完成させた後は、いよいよ競技です。回転体がスタート台から勢いよく飛び出してコースアウトしたり、転がす力が弱くて途中で止まったりするチームがある一方で、計画通りにチェックポイントを通過させることに成功し、笑顔で競技を終えるチームもあり、終了と同時に観客から盛んな拍手を浴びていました。

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総合優勝は愛知県代表チーム チームワークが勝利の要因

今大会、頂点に立ったのは愛知県代表の海陽中等教育学校です。最終日に行われた表彰式では、「めっちゃうれしい!」と喜びを爆発させました。学校では先輩や同級生から好成績を期待され、プレッシャーを感じていたとのことですが、「毎日みんなで集まって練習してきた」という研鑽の積み重ねが結果につながりました。他にも、「自分は生物が好きだけど、それ以外は苦手。筆記競技をみんなで助け合って乗り切ることができました」、「チームワークを特に意識したことはありませんが、毎日やりとりするうちに自然に培われたと思います」とコメントするメンバーもいて、チームワークは、やはり優勝の大きな要因だったようです。

表彰式の来賓として登壇した上野通子文部科学副大臣は、「3日間にわたり、チームとして競技に取り組んだことや、全国の科学技術好きの仲間と交流した貴重な体験や経験を、これからも生かしていただきたい。難しい課題にぶつかったときに、自分でよく考え、周りの人とも協力しながら、解決策を見出すことができる力を身につけるよう、引き続き努力してください」と激励しました。今大会では、屋外に出ての位置測定や、タブレットを使った記録撮影などの試みもありました。ITが進化して情報収集や分析が便利になっても、世界の科学的課題を解決するのは「なぜだろう?」「どうやったらできるだろう?」と考える探求心です。また、一人で解決できないことも、仲間と力を合わせればできることは多々あります。これらのことを生徒たちは心に刻み、令和最初の科学の甲子園ジュニアは閉幕しました。


  • 協働パートナーの皆様、応援ありがとうございます!

次回の科学の甲子園ジュニア全国大会は、兵庫県姫路市に会場を移して令和2年12月に開催予定です。

~こんな一コマも~

大会は多くの企業や団体の支援に支えられています。提供頂くプログラムの1つにエキシビションやブース展示があり、毎回生徒達の人気を博しています。今回も3日目の朝から表彰式までの時間、プラネタリウム、顕微鏡で覗くミクロの世界、光の実験ショー、通信衛星や半導体をテーマにしたワークショップなどが実施され、生徒たちは科学の面白さに触れるひとときを満喫していました。

 

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