科学の甲子園ジュニア

第5回全国大会ダイジェスト・レポート

47都道府県代表の中学生がチームで科学の力を競う


282人の科学好きが大集合!

「第5回 科学の甲子園ジュニア全国大会」は2017年12月1日~3日の3日間の日程で、茨城県つくば市(会場:つくば国際会議場、つくばカピオ)で開催されました。
全国大会の予選となる都道府県大会には27,892名の中学1、2年生が参加し、本大会では、都道府県から選抜された47チーム、合計282名が仲間と協力しながら筆記競技と2つの実技競技に挑戦しました。

故郷への思いを胸に選手宣誓

開会式では、代表チームが手作りの旗を携えて登場し、個性的な演出を交えながら、今大会にかける意気込みを語りました。選手宣誓を行ったのは、秋田県代表の永澤響さんと西村綸里さん。秋田の田沢湖に、絶滅したと思われていたクニマスが帰ってきたエピソードに触れ、「自然を大切にする秋田で育ったこと、そして科学の甲子園ジュニア全国大会に参加できることを誇りに、正々堂々と戦う」ことを誓いました。


  • 【開会式】みんなやる気満々!

  • 【入場】各チーム工夫を凝らして入場

  • 【選手宣誓】秋田県代表の2人

基調講演には、睡眠医科学研究の分野で世界的に知られる筑波大学の柳沢正史教授が登壇し、自身の研究に係わるエピソードを交えながら、研究の面白さを語りました。生徒たちからの質問の時間も設けられ、睡眠という身近な行為を科学的に考える貴重な機会として、活発な質疑応答が展開されました。開会式の後には、早速70分間の筆記競技が行われ、理科や数学などの複数分野からの問題に、1チーム6人のメンバーが分担と協力の体制で臨みました。生徒たちは、協力することの大事さや、チームになった時に発揮される力の大きさを感じたようです。


  • 【筆記競技】6人よって文殊に勝る知恵を発揮中(?)

  • 【基調講演】睡眠について話す柳沢正史教授
創造力を問われる実技競技

2日目の午前中に行われた「ザ・キューブ」と題された実技競技①では、各チームから3人が参加し、与えられた材料で“直径20mm、重さ32gのステンレス製球体がなるべくゆっくり落下する装置”を作りました。この競技は事前公開されていたため、生徒たちは何度も学校や家で装置を試作してきたようですが、大会の緊張の中、90分で作り上げるのは簡単ではありません。時間いっぱいでもまだ完成していないチームも見られました。さらに球体を落下させる次の段階に進むには、装置は、一辺が45cmの立方体空間に収まるというサイズ規定を満たしていなければならず、みんな緊張の面持ちでサイズ検査の様子を見守っていました。


  • 【実技競技①】カッターを使って部品を切り出す。同じ材料を使ってもできあがった装置は実に様々。

優勝は、球体が4分46秒かけて落下した茨城県代表チームでした。各チームが、球体を装置の中に留めておく方法を考え様々に工夫しましたが、優勝チームは振り子の動きを参考にし、自分たちの装置を「振り子タワー」と名付けたとのことです。球体に振り子の動きを再現させるために、レールは緻密に作られており、装置そのものに美しさが感じられました。「これは5つくらい作ったプランの中の1つです。水平にしないと、球体が止まったり早く落ちたりしてしまうので、最後の調整が大変でした」と、優勝メンバーは苦労を語りました。


  • 【実技競技①】「ザ・キューブ」で優勝した茨城県代表チームとその作品「振り子タワー」

午後に行われた実技競技②は、「惑星Xにて」というタイトルが語る通り、宇宙をテーマにした課題です。この競技も3人でとり組みました。ここでは、人類が将来到達するであろう未知の惑星Xが舞台とされました。会場に設置された岩石や惑星のモデルなど、限られた情報から惑星Xを探索し、惑星Xの1日の長さや、岩石などの基礎的な環境を探ります。生徒たちはキットの望遠鏡を組み立て、惑星X上を想定した模擬的な天体観測を行いました。観測結果を元にした惑星地図の作成が課題です。
この競技は、「過去から学び、未来を見据える力」、「今を創造し、未来を切り拓く力」である、「未来力」を育てたいという期待を込めて課題が作られたそうです。


  • 【実技競技②】まず、望遠鏡を組み立てる。続いて、会場の惑星の模型を観測。
    その大きさや太陽の光の当たり方から、惑星の位置関係を求める。
    望遠鏡を覗く観測者と記録係の協力が一つの鍵となっていた。
最先端科学に触れ、全国の仲間と知り合う大会に

すべての競技の後に用意されたエキシビションには、科学の街・つくばでの開催ということで、つくばに拠点を置く研究機関が、それぞれの先端研究を紹介するブースを連ねました。ロボットスーツHALの試着や、JAXAの宇宙開発の話、MANAのスマートポリマーをテーマにしたヒーローショーなど、最先端科学に触れられる企画で、いずれのブースも興味深そうに参加する生徒たちで盛況でした。


  • HALを試着してジャンプ!!

  • 巨大3D地図

  • ヒーローショーの後で記念撮影

  • 仮設のプラネタリウム

「科学の甲子園ジュニア全国大会」は、全国の科学好き中学生が一堂に会する貴重な機会です。参加者が交流を深められるように、全競技終了後にはスワップミートと呼ばれる手土産などを交換する時間や、フェアウェルパーティの機会も設けられていました。生徒たちは、地元の特産品などを交換したり、おしゃべりやゲームに興じたりして、「また、会いたいね」とすっかり打ち解けた様子でした。


  • スワップミート

  • フェアウェルパーティ
初優勝を掴んだ 東京都代表チーム

最終日には、この大会のスポンサーである協働パートナー5社から実験ショーやワークショップなどが提供されました。「コンセントの向こう側はどうなっているの?(東芝)」「Gakken Tech Program(学研)」「未来のエネルギー『水素』に迫る(ケニス)」「もっと知ろう身近な不思議(ナリカ)」「クイズに答えて身近なミクロの世界を知る(内田洋行)」と、どれも生徒たちの好奇心を刺激する内容でした。
その後は、いよいよ表彰式です。すべての競技の合計得点による総合優勝は、東京都代表チームでした。筑波大学附属駒場中学校の男子生徒3人と、豊島岡女子学園中学校の女子生徒3人の混成チームで、大会前のコメントに「初優勝を目指す」と書いていた通りになりました。

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    総合優勝を果たした東京都代表チーム

キャプテンの秋吉さん(筑波大学付属駒場中学校2年)が、「優勝できて本当に嬉しいです。6人で勝ち取った優勝ですが、支えて下さった皆様にも感謝しています」と、中学1年生の豊島岡女子学園の3人は、「筑駒の先輩方が引っ張ってくれて、とても頼りがいがありました。チームワークが一番の勝因だったと思います」と喜びを語りました。各競技については、「実技競技の『ザ・キューブ』の試作では時間がかかっていましたが、徐々に3人の分担がうまくいくようになって本番では良い結果が出せました」と男子生徒3人が、「惑星Xにて」で天体観測を行った女子生徒3人は、「手先が器用な人が望遠鏡を作り、文章を読み解くのが得意な人が問題を解くなど分担しました。それぞれ主張をぶつけ合ったのもよかったと思います」と振り返りました。続く2位は地元茨城県代表チーム、3位は北海道代表チームでした。

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    2位の茨城県代表チーム(左)と3位の北海道代表チーム(右)

「第6回 科学の甲子園ジュニア全国大会」は2018年12月上旬に同じく茨城県つくば市で開催される予定です。


  • ご協力頂いたみなさま
〜大会の声〜

終了後、感想を聞きました。

岩手県代表チームは、女子3人が「ザ・キューブ」の工作を担当しました。「工作をするのは初めてで最初は辛かったですが、こうして円盤を極めていい装置をつくることができました!」。
「初日の筆記競技は、他県のみんながすごくてひるんでしまいましたが、今日の“惑星Xにて”は楽しく取り組めました!」。

岐阜県代表チームは、6人全員が運動部員です。
「いつもは体を使っていますが、頭を使いました。でも、チームワークが必要なところは運動も科学も同じですね」。
「天体観測はチームワークと冷静さで、うまくいったかな」。
ちなみに「ザ・キューブ」は茨城県代表に次ぐ2位でした。

和歌山県代表チームは、パンダを被って開会式に登場。「パンダの繁殖もマグロの養殖も、和歌山には生物系の優れた技術があるんです」。「有意義な2日間でした。和歌山に帰ったら、実技競技でいただいた望遠鏡で天体観測してみてもいいかな。和歌山の空はきっと綺麗です」と地元を誇りに思う気持ちを込めて話してくれました。

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